古典 第二十七段 人の本性が現れる折 御国譲の節会おこなはれて、剣・璽・内侍所わたし奉らるるほどこそ、限りなう心ぼそけれ、新院のおりさせ給ひての春、詠ませ給ひけるとかや、 殿守のとものみやつこよそにしてはらはぬ庭に花ぞ散りしく 今の世のことしげきにまぎれて、院には参る人もなき... 2021.06.30 古典
古典 《逆転の発想》 題しらす よみ人しらす いろよりもかこそあはれとおもほゆれたかそてふれしやとのうめそも (33) 色よりも香こそあはれとおもほゆれ誰が袖触れし宿の梅ぞも おもほゆれ:ひとりでに思われる。 ぞも:詠嘆を込めて疑う気持ちを表す。・・・だろうか... 2021.06.29 古典
古典 第二十六段 人との別れ 風も吹きあへずうつろふ人の心の花に、なれにし年月を思へば、あはれと聞きし言の葉ごとに忘れぬものから、我が世の外になりゆくならひこそ、なき人の別れよりもまさりて悲しきものなれ。されば白き糸の染まん事を悲しび、路のちまたの分かん事をなげく人もあ... 2021.06.28 古典