2023-09

古典

《間近な恋》

題しらす 読人しらす ひとしれぬおもひやなそとあしかきのまちかけれともあふよしのなき (506) 人知れぬ思ひやなぞと葦垣の間近けれども逢ふ由の無き 「人知れぬ思いは何なんだと、間近にあるけれど逢う方法がない。」 「葦垣の」は、葦で作る垣根...
古典

《心地よい調べ》

題しらす 読人しらす あさちふのをののしのはらしのふともひとしるらめやいふひとなしに (505) 浅茅生の小野の篠原忍ぶとも人知るらめや言ふ人無しに 「私が耐え忍んでも人は知っているだろうか。言う人無しに。」 「浅茅生の」は、「小野」の枕詞...
古典

《隠れた自分》

題しらす 読人しらす わかこひをひとしるらめやしきたへのまくらのみこそしらはしるらめ (504) 我が恋を人知るらめや敷栲の枕のみこそ知らば知るらめ 「我が恋を人は知っているだろうか。枕だけが知るなら知っているだろうが・・・。」 「(知る)...