2023-06

古典

《題を隠す》

かにはさくら つらゆき かつけともなみのなかにはさくられてかせふくことにうきしつむたま (427) 潜(かづ)けども浪の中には探られで風吹く毎に浮き沈む玉 「潜っても波の中には探せないで、風が吹く毎に浮き沈む玉であることよ。」 「かにはざく...
古典

《散り際の梅》

うめ よみ人しらす あなうめにつねなるへくもみえぬかなこひしかるへきかはにほひつつ (426) あな憂目に常なるべくも見えぬかな恋しかるべき香は匂ひつつ 「ああ、嫌だ。梅は常にあるようには見えないなあ。恋しくなるはずの香は匂いながらも。」 ...
古典

《反論》

返し(うつせみ) 壬生忠岑 たもとよりはなれてたまをつつまめやこれなむそれとうつせみむかし (425) 袂より離れて玉を包まめやこれなむそれと移せ見むかし 「返し(うつせみ) 壬生忠岑 袂より離れて玉を包めるか。「これがそれだ」と袂に移せ。...