古典

『古今和歌集』成立の事情

かかるに、いま、すべらぎのあめのしたしろしめすこと、よつの時ここのかへりになむなりぬる。あまねきおほむうつくしみのなみ、やしまのほかまでながれ、ひろきおほむめぐみのかげ、つくば山のふもとよりもしげくおはしまして、よろづのまつりごとをきこしめ...
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今の歌人の状況③

をののこまちは、いにしへのそとほりひめの流なり。あはれなるやうにて、つよからず。いはば、よきをうなの、なやめる所あるににたり。つよからぬは、をうなのうたなればなるべし。 「小野小町は、古の衣通姫の流れを酌む。あわれを感じさせるようであって、...
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今の歌人の状況②

ありはらのなりひらは、その心あまりて、ことばたらず。しぼめる花の、いろなくて、にほひのこれるがごとし。 在原業平は、逆に思いが勝って、それを表す表現が不十分だ。思いを伝え切れていない。たとえて言うなら、萎んだ花が色を失って、匂いが残っている...