山川 信一

古典

第二百一段  卒塔婆の違い

退凡・下乗の卒塔婆、外なるは下乗、内なるは退凡なり。 退凡・下乗の卒塔婆:天竺に建てられた塔。下乗は、乗り物から下りるの意。退凡は、凡夫を退けるの意。 「退凡・下乗の卒塔婆は、外に在る方は下乗、内に在る方は退凡である。」 インドの卒塔婆の名...
古典

第二百段  竹の違い

呉竹は葉細く、河竹は葉広し。御溝(みかわ)に近きは河竹、仁寿殿のかたに寄りて植ゑられたるは呉竹なり。 御溝:清涼殿本庭の溝。 「呉竹は葉が細く、河竹は葉が広い。御溝に近い方は河竹、仁寿殿の方に寄って植えられているのは呉竹である。」 呉竹と河...
古典

第百九十九段  音律の違い

横川の行宣法印が申し侍りしは、『中国は呂の国なり。律の音なし。和国は単律の国にて、呂の音なし』と申しき。 横川:比叡山三塔の一つ。 「横川の行宣法印が言いましたことには、『唐土は呂旋の国である。律の旋律は無い。日本は律旋の国で、呂旋は無い。...