山川 信一

古典

《実らない稲》

題しらす   小町 あきかせにあふたのみこそかなしけれわかみむなしくなりぬとおもへは (822) 秋風にあふ田の実こそ悲しけれ我が身空しくなりぬと思へば 「題知らず 小町 秋風にあう稲こそ悲しいことだが・・・。我が身が空しくなってしまったと...
古典

《歌の背景》

題しらす よみ人しらす あきかせのふきとふきぬるむさしのはなへてくさはのいろかはりけり (821) 秋風の吹きと吹きぬる武蔵野はなべて草葉の色変はりけり 「題知らず 詠み人知らず 秋風が吹きに吹いた武蔵野はおしなべて草葉の色が変わったことだ...
古典

《心の秋》

題しらす よみ人しらす しくれつつもみつるよりもことのはのこころのあきにあふそわひしき (820) 時雨つつ紅葉づるよりも言の葉の心のあきに逢ふぞ侘しき 「題知らず 詠み人知らず 時雨れながら紅葉するよりも言葉の心の秋(飽き)に逢うことこそ...