2023-08

古典

《満たされない心》

かたの たたみね なつくさのうへはしけれるぬまみつのゆくかたのなきわかこころかな (462) 夏草の上は繁れる沼水の行く方の無き我が心かな 「夏草が上は繁っている沼の水のように、行く方の無い私の心だなあ。」 「夏草の上は繁れる沼水の」は、「...
古典

《山の天気》

よとかは つらゆき あしひきのやまへにをれはしらくものいかにせよとかはるるときなき (461) あしひきの山辺にをれば白雲のいかにせよとか晴るる時なき 「山の麓にいると、白雲がどうしろと言って晴れる時がないのか。」 「あしひきの」は、「山」...
古典

《紙と髪》

かみやかは つらゆき うはたまのわかくろかみやかはるらむかかみのかけにふれるしらゆき (460) うばたまの我が黒髪や変はるらむ鏡の影に降れる白雪 「私の黒髪が変わっているのだろうか。鏡に映る姿に降っている白雪。」 「うばたまの」は、「黒髪...