2023-08

古典

《究極の物名》

はをはしめ、るをはてにて、なかめをかけて時のうたよめと人のいひけれはよみける 僧正聖宝 はなのなかめにあくやとてわけゆけはこころそともにちりぬへらなる (468) 「は」を始め、「る」を果てにて、「なかめ」を掛けて時の歌を詠めと人の言ひけれ...
古典

《賀の物名》

ちまき 大江千里 のちまきのおくれておふるなへなれとあたにはならぬたのみとそきく (467) 後撒きの遅れて生ふる苗なれど徒にはならぬたのみとぞ聞く 「後で撒いて遅れて生える苗だけれど、空しくはならない『たのみ』となると聞いている。」 「(...
古典

《誇張表現》

おきひ みやこのよしか(都良香) なかれいつるかたたにみえぬなみたかはおきひむときやそこはしられむ (466) 流れ出づる方だに見えぬ涙河沖干む時や底は知られむ 「流れ出る方向さえ見えない涙の川。沖が干上がる時に底が知られるのだろうか。」 ...