2023-06

古典

《儚きもの》

うつせみ 在原しけはる なみのうつせみれはたまそみたれけるひろははそてにはかなからむや (424) 浪の打つ瀬見れば玉ぞ乱れける拾はば袖に儚からむや 「うつせみ 在原滋春 波が打つ瀬を見ると玉が乱れた。それを拾うなら袖に儚いだろうか。」 「...
古典

《人を鳴かせる》

ほとときす 藤原としゆきの朝臣 くへきほとときすきぬれやまちわひてなくなるこゑのひとをとよむる (423) 来べきほど時過ぎぬれや待ち侘びて鳴くなる声人を響むる 「ほとときす 藤原敏行の朝臣 来るべき郭公が時季を過ぎてしまったからなのだろう...
古典

《鳴き声の意味》 巻十:物名

うくひす 藤原としゆきの朝臣 こころからはなのしつくにそほちつつうくひすとのみとりのなくらむ (422) 心から花の雫に濡ちつつ憂く漬ずとのみ鳥の鳴くらむ 「うくひす 藤原敏行の朝臣 心から花の雫に濡れながら嫌だぐっしょりだとばかり鳥が鳴い...