2023-02

古典

《研ぎ澄まされる想像力》

題しらす 読人しらす ふるゆきはかつそけぬらしあしひきのやまのたきつせおとまさるなり(319) 降る雪はかつぞ消ぬらしあしひきの山のたぎつ瀬音勝るなり 「降る雪は降るそばから消えるらしい。山中の水が逆巻き流れる瀬の音が平生より大きく聞こえる...
古典

《浪漫的心情》

題しらす 読人しらす いまよりはつきてふらなむわかやとのすすきおしなひふれるしらゆき(318) 今よりは継ぎて降らなむ我が宿の芒おしなみ降れる白雪 「今から引き続いて降って欲しい。我が家の芒を押し倒し降っている白雪は。」 「降らなむ」の「降...
古典

《雪の予感》

題しらす 読人しらす ゆふされはころもてさむしみよしののよしののやまにみゆきふるらし(317) 夕されば衣手寒しみ吉野の吉野の山にみ雪降るらし 「夕方になると、袖のあたりが冷える。吉野の山に雪が降るらしい。」 「夕されば」の「ば」は、接続助...