古典 第二百四十二段 三大欲 とこしなへに違順に使はるる事は、ひとへに苦楽のためなり。楽といふは、好み愛する事なり。これを求むること、やむ時なし。楽欲(ぎょうよく)する所、一には名なり。名に二種あり。行跡と才芸との誉なり。二には色欲、三には味なり。万の願ひ、この三にはし... 2022.12.14 古典
古典 《笠をさす山》 秋のうたとてよめる 在原元方 あめふれとつゆももらしをかさとりのやまはいかてかもみちそめけむ (261) 雨降れどつゆも漏らじを笠取の山はいかでか紅葉染めけむ 「秋の歌と言うことで詠んだ 在原元方 雨が降っても少しも漏らさないだろうに、笠... 2022.12.13 古典
古典 第二百四十一段 何のための人生か 望月のまどかなる事は、暫くも住せず、やがて欠けぬ。心とどめぬ人は、一夜の中に、さまで変るさまも見えぬにやあらん。病の重るも、住する隙なくして、死期既に近し。されども、いまだ病急ならず、死に赴かざる程は、常住平生の念に習ひて、生の中に多くの事... 2022.12.12 古典