2022-11

古典

第二百三十八段  兼好の自慢話 その二 ~論語~

一、当代、いまだ坊におはしましし比、万里小路殿御所なりしに、堀川大納言殿伺候し給ひし御曹司へ、用ありて参りたりしに、論語の四、五、六の巻をくりひろげ給ひて、「ただ今御所にて、「紫の朱奪ふことを悪む」といふ文を御覧ぜられたき事ありて、御本を御...
古典

《秋の広がり》

題しらす よみ人しらす きりたちてかりそなくなるかたをかのあしたのはらはもみちしぬらむ (252) 霧立ちて雁ぞ鳴くなる片岡の朝の原は紅葉しぬらむ 片岡の朝の原:奈良県北葛城郡王寺町一帯の丘陵。生駒山の南裾、葛下川左岸に当たる。 「霧が立っ...
古典

第二百三十八段  兼好の自慢話 その一~馬芸~

御随身近友が自讃とて、七箇条書きとどめたる事あり。皆、馬芸、させることなき事どもなり。その例を思ひて、自讃の事七つあり。 一、人あまたつれて花見歩きしに、最勝光院の辺にて、男の馬を走らしむるを見て、「今一度馬を馳するものならば、馬倒れて、落...