古典 第二百十三段 故実の融通性 御前の火炉に火を置く時は、火箸してはさむ事なし。土器より、直ちに移すべし。されば、転び落ちぬやうに、心得て炭を積むべきなり。八幡の御幸に供奉の人、浄衣を着て、手にて炭をさされければ、ある有職の人、「白き物を着たる日は火箸をもちゐる、くるしか... 2022.09.23 古典
古典 《女性らしい花》 題しらす 僧正へんせう なにめててをれるはかりそをみなへしわれおちにきとひとにかたるな (226) 名に愛でて折れるばかりぞ女郎花我堕ちにきと人に語るな 「名前に惹かれて折っただけだよ、女郎花。私が堕落したと人に語るな。」 「ばかりぞ」の「... 2022.09.22 古典
古典 第二百十二段 教養の働き 秋の月は、かぎりなくめでたきものなり。いつとても月はかくこそあれとて、思ひ分かざらん人は、無下に心憂かるべき事なり。 「秋の月は、この上なく素晴らしいものである。いつであっても月はこのようにあるのだと思って、その区別がつかないとしたら、その... 2022.09.21 古典