第百九十八段  関心の幅

 揚名介(ようめいのすけ)にかぎらず、揚名目(ようめいのさかん)といふものもあり。政事要略にあり。

揚名介:『源氏物語』夕顔の巻に「揚名介なる人の家になむありける」とあり、古来その意味について種々論じられてきた。
政事要略:平安時代の法制書。1009年頃完成した。

「揚名介にかぎらず、揚名目と言う官名もある。政事要略に書いてある。」

自らの関心・知識が物語から法律まで及んでいることを示している。やはり、関心の中心は平安時代である。よほど武士の世が気に入らなかったのだろう。

コメント

  1. すいわ より:

    文学に出てくるほんの些細な役職を取り上げて、それとは別のまたも小さな役職の存在を示す。文学的な素養もあるし、法令にも明るい事をアピール?収集コレクションを自慢する男の子みたいです。
    微笑ましい位で引っ込めれば良いのだけれど。

    • 山川 信一 より:

      「心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつく」っているのでと言うのでしょうね。

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