2022-01

古典

《川底の山吹》

よしの河のほとりに山ふきのさけりけるをよめる  つらゆき よしのかはきしのやまふきふくかせにそこのかけさへうつろひにけり (124) 吉野河岸の山吹吹く風に底の影さへ移ろひにけり 「吉野河の岸辺に山吹の花が咲いていたのを詠んだ 吉野河の岸辺...
古典

第百十一段   柔軟な思考

「囲碁・双六好みて明かし暮らす人は、四重・五逆にもまされる悪事とぞ思ふ」と、あるひじりの申しし事、耳にとどまりて、いみじくおぼえ侍る。 四重:(しぢゃう)仏教語。四種の大罪。邪淫戒・偸盗戒・殺生戒・妄語戒を犯すこと。 五逆:(ごぎゃく)仏教...
古典

《理不尽な嘆き》

題しらす よみ人しらす やまふきはあやななさきそはなみむとうゑけむきみかこよひこなくに (123) 山吹はあやなな咲きそ花見むと植ゑけむ君が今宵来なくに 「山吹は筋が立たないことだわ。どうか咲かないでほしい。花を見ようと植えたであろうあなた...