2021-04

古典

今の歌人の状況②

ありはらのなりひらは、その心あまりて、ことばたらず。しぼめる花の、いろなくて、にほひのこれるがごとし。 在原業平は、逆に思いが勝って、それを表す表現が不十分だ。思いを伝え切れていない。たとえて言うなら、萎んだ花が色を失って、匂いが残っている...
古典

今の歌人の状況

ここに、いにしへのことをも、うたの心をもしれる人、わづかにひとりふたり也き。しかあれど、これかれ、えたるところ、えぬところ、たがひになむある。 「今ここに、古のことも、歌の心も知っている人は、わずかに一人二人である。そうではあるが、この人あ...
古典

『万葉集』への尊敬

いにしへより、かくつたはるうちにも、ならの御時よりぞ、ひろまりにける。かのおほむ世や、うたの心をしろしめしたりけむ。かのおほむ時に、おほきみつのくらゐ、かきのもとの人まろなむ、うたのひじりなりける。これは、きみもひとも、身をあはせたりといふ...