風浪のしばしと惜む心

二日、なほおほつにとまれり。講師、ものさけなどおこせたり。
三日、おなじところなり。もしかぜなみのしばしとをしむこころやあらむ、こころもとなし

二日、なほ大湊にとまれり。講師、物、酒などおこせたり。
三日、同じ所なり。もし風浪のしばしと惜む心やあらむ、心もとなし。

おこす:送ってくる。
こころやあらむ、こころもとなし 洒落

問 「もしなみかぜのしばしとをしむこころやあらむ、こころもとなし」とは、どのような思いか、答えなさい。

コメント

  1. すいわ より:

    ただ停泊しているのではないのですね。海が荒れて出航出来ない。
    問 浪風が別れを惜しんで今暫く留まって欲しいと思って(海を荒らして)いるのだろうか?ああ、じれったい。

    鹿児崎での人々との別れの時は後ろ髪引かれる思いだったのに対して、旅程の進まない事に苛立ちを感じているように思います。

    • 山川 信一 より:

      その通りです。国司の帰京は大変だったのですね。貫之が書いてくれなければわかりませんでした。
      『土佐日記』を書いた理由はその辺りにもありそうです。

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