次の作品

 次の作品をどうするか、ちょっと迷っています。当初の予定では、魯迅の『故郷』でした。中学三年生の教材の定番です。しかし、この作品は読むべき価値が見出せないのです。魯迅は文学史にも出てくる有名な作家です。ですから、当然この作品も名作に違いないと思いがちです。しかし、これは駄作です。内容的には、主人公のぼやきが書かれているだけなのです。教科書に取り上げられているのは、作家の名前に惑わされているからでしょう。名作の誉れが高くても、ダメなものはダメです。仮にこの作品を取り上げるならば、名前に囚われ、過大評価して読んではいけないということが教科内容になります。それはそれで意味のあることではあります。常に優れた作品だけが教科書に載っている訳ではありません。それを見極める目を持たねばなりません。その意味では、いい教材ではあります。しかし、それならもっと良い作品を扱いたいという迷いもあります。しばらく考えてみます。

コメント

  1. 国語が苦手 より:

    拝見させて頂いております。
    太宰治の『富獄百景』を是非お願いしたいと思いました。
    改めてこの春休みに太宰治を読んでいます。

    • 山川 信一 より:

      コメント、ありがとうございます。いつも「国語教室」をお読みいただきありがとうございます。リクエストもありがとうございます。
      ただ、『富岳百景』は予定していません。私もこの作品が大好きです。太宰治という作家を身近に感じられます。表現も素晴らしい。
      たとえば、「おそろしく、明るい月夜だつた。富士が、よかつた。月光を受けて、青く透きとほるやうで、私は、狐に化かされてゐるやうな気がした。
      富士が、したたるやうに青いのだ。燐が燃えてゐるやうな感じだつた。鬼火。狐火。ほたる。すすき。葛くずの葉。」
      太宰は文字通り天才です。誰がこんな表現ができるでしょうか?歌人も俳人も形無しです。現役時代、授業では特に気持ちを込めてしました。
      ですが、太宰治は既に『走れメロス』で扱いました。高1該当作品としては『羅生門』を考えています。この作品も十分に読めていないようなので。
      ですから、『富岳百景』に関して質問があればしてください。それにはお答えします。メールアドレスを教えてていただければ、直接メールします。

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