古典

《理屈通りに行かない心》

鶯の花の木にてなくをよめる  みつね しるしなきねをもなくかなうくひすのことしのみちるはなならなくに (110) 験無き音をもなくかな鶯の今年のみこそ花ならなくに 「鶯が桜の木で鳴くのを詠んだ 凡河内躬恒 何の効果も無い声を挙げてまでも鳴く...
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第九十七段   「仁義」「法」の困難さ

その物に付きて、その物を費しそこなふ物、数を知らずあり。身に虱あり、家に鼠あり、国に賊あり、小人に財あり、君子に仁義あり、僧に法あり。 「その物に附属して、その物を費やしてダメにする物が数知れないほどある。人の身にシラミがあり、家にネズミが...
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《桜を散らす鶯》

うくひすのなくをよめる そせい こつたへはおのかはかせにちるはなをたれにおほせてここらなくらむ (109) 木伝へば己が羽風に散る花を誰に負せてここら鳴くらむ 「鶯を詠んだ  素性法師 枝伝いするから自分が立てた羽の風で散る花なのに、誰のせ...