古典

第二百三十三段  非難の回避

万の咎あらじと思はば、何事にもまことありて、人を分かず、うやうやしく、言葉少なからんにはしかじ。男女・老少、皆さる人こそよけれども、ことに、若くかたちよき人の、言うるはしきは、忘れがたく、思ひつかるるものなり。万の咎は、馴れたるさまに上手め...
古典

《色っぽい秋の花々》

題しらす よみ人しらす ももくさのはなのひもとくあきののをおもひたはれむひとなとかめそ (246) 百草の花の紐解く秋の野を思ひ戯れむ人な咎めそ 「いろいろな草の花のつぼみが開く秋の野で私は思いを寄せ戯れ遊ぼう。誰も非難してくれるな。」 「...
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第二百三十二段  若者の振る舞い

すべて人は、無智無能なるべきものなり。ある人の子ども、見ざまなどあしからぬが、父の前にて、人ともの言ふとて、史書の文を引きたりし、賢しくは聞えしかども、尊者の前にては、さらずともと覚えしなり。又ある人の許にて、琵琶法師の物語を聞かんとて、琵...