古典

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《郭公との一体感》

郭公のなきけるをききてよめる みつね ほとときすわれとはなしにうのはなのうきよのなかになきわたるらむ (164) 郭公我とはなしに卯の花の憂き世中になき渡るらむ 「郭公が鳴いたのを聞いて詠んだ  躬恒 郭公は私ではないのに、卯の花が咲く季節...
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第百五十一段  老人の心得

或人のいはく、年五十になるまで上手にいたらざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑わず。衆に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざはやめて、暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗の事に携はりて、...
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《境遇による聞こえ方》

はやくすみける所にてほとときすのなきけるをききてよめる たたみね むかしへやいまもこひしきほとときすふるさとにしもなきてきつらむ (163) 昔へや今も恋しき時鳥古里にしも鳴きて来つらむ 「以前住んでいた所で時鳥が鳴いたのを聞いて詠んだ  ...