古典

古典

《藤袴の香り》

ふちはかまをよみて人につかはしける つらゆき やとりせしひとのかたみかふちはかまわすられかたきかににほひつつ  (240) 宿りせし人の形見か藤袴忘られ難き香に匂ひつつ 「藤袴を詠んで人にやった   貫之 私の所にお泊まりになった君の形見の...
古典

第二百二十六段  『平家物語』の起源

後鳥羽院の御時、信濃前司行長、稽古の誉ありけるが、楽府の御論議の番に召されて、七徳の舞を二つ忘れたりければ、五徳の冠者と異名をつきにけるを、心憂き事にして、学問を捨てて遁世したりけるを、慈鎮和尚、一芸あるものをば下部までも召し置きて、不便に...
古典

《品のよい色と香》

これさたのみこの家の歌合によめる としゆきの朝臣 なにひとかきてぬきかけしふちはかまくるあきことにのへをにほはす (239) 何人か来て脱ぎ掛けし藤袴来る秋毎に野辺を匂はす 「誰が来て脱ぎ掛けたのかなあ。藤袴は来る秋毎に野辺を彩る。」 「な...