古典

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《歌集の物語性》

題しらす よみ人しらす たきつせのはやきこころをなにしかもひとめつつみのせきととむらむ (660) 滾つ瀬の速き心を何しかも人目つつみの堰き留むらむ 「題知らず 詠み人知らず 逆巻く瀬のように激しい心をどうして人目の堤が留めているのだろう。...
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《男の言い訳》

題しらす よみ人しらす おもへともひとめつつみのたかけれはかはとみなからえこそわたらね (659) 思へども人目堤の高ければかはと見ながらえこそ渡らね 「題しらす よみ人しらす 思っても人目の堤が高いので、川と見ながら越え渡ることができない...
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《夢より現実》

題しらす こまち ゆめちにはあしもやすめすかよへともうつつにひとめみしことはあらす (658) 夢路には脚も休めず通へども現にひと目見しごとはあらず 「題知らず 小町 夢路には脚も休めず通うけれど現実に一度でも逢うほどではない。」 「(休め...