山川 信一

古典

第百九十一段  夜のよさ

「夜に入りて物のはえなし」といふ人、いと口惜し。万のものの綺羅・飾り・色ふしも、夜のみこそめでたけれ。昼は、ことそぎ、およすげたる姿にてもありなん。夜は、きららかに、はなやかなる装束、いとよし。人の気色も、夜のほかげぞよきはよく、もの言ひた...
古典

《秋の条件》

題しらす よみ人しらす わかかとにいなおほせとりのなくなへにけさふくかせにかりはきにけり (208) 我が門に稲負鳥の鳴くなへに今朝吹く風に雁は来にけり 「我が家の門に稲負鳥が鳴くのと共に今朝吹く風に雁は来たことだなあ。」...
古典

第百九十段  恋愛主義

 妻といふものこそ、男の持つまじきものなれ、「いつも独り住みにて」など聞くこそ、心にくけれ、「誰がしが婿になりぬ」とも、又、「如何なる女を取りすゑて、相住む」など聞きつれば、無下に心おとりせらるるわざなり。「ことなる事なき女をよしと思ひ定め...
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