古典

《病床で思う桜》

心地そこなひてわつらひける時に、風にあたらしとておろしこめてのみ侍りけるあひたに、をれるさくらのちりかたになれりけるを見てよめる  藤原よるかの朝臣 たれこめてはるのゆくへもしらぬまにまちしさくらもうつろひにけり (80) 垂れ...
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第六十九段    豆と豆殻の声

 書写の上人は、法華読誦の功つもりて、六根浄にかなへる人なりけり。旅の仮屋に立ち入られけるに、豆の殻を焚きて豆を煮ける音の、つぶつぶと鳴るを聞き給ひければ、「うとからぬおのれらしも、恨めしく我をば煮て、辛き目を見するものかな」と言ひけり。焚...
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《見えない落花》

山のさくらを見てよめる 貫之 はるかすみなにかくすらむさくらはなちるまをたにもみるへきものを (79) 春霞なに隠すらむ桜花散る間をだにも見るべきものを なに:(歌語)なぜ。どうして。 らむ:現在推量の助動詞。眼前の事実...
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