古典 《人の心よりはまし》 さくらのごととくちる物はなしと人のいひけれはよめる 貫之 さくらはなとくちりぬともおもほえすひとのこころそかせもふきあへぬ (83) 桜花疾く散りぬとも思ほえず人の心ぞ風も吹き敢へぬ 「桜のように早く散るものは無いと人が言ったので詠んだ ... 2021.10.23 古典
古典 第七十二段 多いことは卑しいこと 賤しげなるもの。居たるあたりに調度の多き。硯に筆の多き。持仏堂に仏の多き。前栽(せんざい)に石・草木の多き。家の内に子・孫の多き。人にあひて詞の多き。願文(がんもん)に作善(さぜん)多く書きのせたる。多くて見苦しからぬは、文車(ふぐるま)の... 2021.10.22 古典
古典 《屈折した愛》 さくらの花のちりけるをよみける 貫之 ことならはさかすやはあらぬさくらはなみるわれさへにしつこころなし (82) ことならば咲かずやはあらぬ桜花見る我さへに静心無し ことならば:同じことなら。 さかずやはあらぬ:「やは」は反語を表す係助詞。... 2021.10.21 古典