古典 第三十八段 利欲に縛られる愚かさ 名利に使はれて、しづかなるいとまなく、一生を苦しむるこそ愚かなれ、たから多ければ、身を守るにまどし。害を買い、わづらいを招くなかだちなり。身の後にはこがねをして北斗をささふとも、人のためにぞわづらはるべき。愚かなる人の目をよろこばしむる楽し... 2021.07.28 古典
古典 《移ろうものは止められない》 家にありける梅花のちりけるをよめる つらゆき くるとあくとめかれぬものをうめのはないつのひとまにうつろひぬらむ 暮ると明くと目離れぬものを梅花いつの人間に移ろひぬらむ (45) 「家にあった梅の花が散ったのを詠んだ 紀貫之 日が暮れると... 2021.07.27 古典
古典 第三十七段 人との接し方を変える 朝夕隔てなく馴れたる人の、ともある時、我に心おき、ひきつくろへるさまに見ゆるこそ、「今更かくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほげにげにしく、よき人かなとぞおぼゆる。うとき人の、うちとけたる事など言ひたる、又よしと思ひつきぬべし。 ともあ... 2021.07.26 古典