2021-05

古典

第十八段  賢人は欲を持たない

人はおのれをつづまやかにし、奢りを退けて財を持たず、世をむさぼらざらんぞ、いみじかるべき。昔より、賢き人の富めるは稀なり。 唐土に許由と言ひつる人は、さらに身にしたがへる貯へもなくて、水をも手にして捧げて飲みけるを見て、なりびさこといふ物を...
古典

《万物に力が漲る春》

題しらす  よみ人しらす あつさゆみおしてはるさめけふふりぬあすさへふらはわかなつみてむ (20) 梓弓おしてはる雨今日降りぬ明日さへ降らば若菜摘みてむ あつさゆみおして:「張る」を導く序詞。「おし(す)」は、押して曲げる。 はる:「張る」...
古典

第十七段   参籠・精進

山寺にかきこもりて、仏につかうまつるこそ、つれづれもなく、心の濁りも清まる心地すれ。 かきこもり:家の中に引き籠もる。「かき」は、動詞の語調を強める接尾辞。 つかうまつる:お仕え申し上げる。「つかえまつる」からの変化。 心の濁り:煩悩。 「...