「なり」と「けり」

廿五日、かみのたちよりよびにふみもてきたなり。よばれていたりてひひとひよひとよとかくあそぶやうにてあけにけり

この部分に漢字を当てると次のようになる。

二十五日、守の館より呼びに文持て来たなり。呼ばれて至りて日一日夜一夜とかく遊ぶやうにて明けにけり。

問 傍線部「なり」と「けり」が使われている理由を答えなさい。(「なり」は、伝聞・推定と断定のどちらの意か。「けり」はここで初めて出て来た。なぜ経験の助動詞「き」ではなく、確認の助動詞「けり」を使ったのか。)

コメント

  1. すいわ より:

    「国司の館から呼び出しの文を(使いのものが)持って来ているようだ」
    伝聞・推定の「なり」

    昨年5月1日 『「けり」の意味』の回で
    『「けり」が〈確認〉を表すのに対して、実際に経験したことは「き」で表す。』と教えて頂きました。
    筆者=前任の国司(紀貫之)と思われないように、伝聞・推定や「けり」を使う事で他者の体験であるかのように装った?

    • 山川 信一 より:

      正解です。習ったことが応用できて素晴らしい。嬉しくなりました。
      書き手は一緒に行っていないことになっています。
      この辺り芸が細かいですね。

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