2020-08

古典

誠先生の話

『舞姫』の鑑賞については、特に付け加えることがありません。島田美奈子さんがあらゆる面から論じてくれました。この六年間の島田さんの成長は著しいものがありました。学んだことを生きることに応用できるようになりました。勉強が机上の空論ではなくなりま...
古典

一点の彼を憎むこゝろ

嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡《なうり》に一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり。                       (明治二十三年一月) 「豊太郎は相沢を世に得がたい良友だ、しかし、一点憎む思い...
古典

生ける屍

余が病は全く癒えぬ。エリスが生ける屍《かばね》を抱きて千行《ちすぢ》の涙を濺《そゝ》ぎしは幾度ぞ。大臣に随ひて帰東の途に上ぼりしときは、相沢と議《はか》りてエリスが母に微《かすか》なる生計《たつき》を営むに足るほどの資本を与へ、あはれなる狂...