中学2年生の作品~『走れメロス』~

 あたしは中学二年になった。文芸部には、後輩が三人入ってきた。少ないけれど、文学好きな子は必ずいるのね。淡埜先輩が卒業して、あたしたちの班には中一の後輩が入ってきた。桐野美鈴と言った。小柄で顔も小さい。顔からはみ出るような大きな眼鏡を掛けている。声も話し方もまるで小学生だ。あたしもこうだったのかとも思うとちょと恥ずかしい。
 中二もいろいろあったけど、あっという間に三学期になっていた。今度の作品は、二学期の授業でもやった太宰治の『走れメロス』だ。それなりにおもしろかったけど、授業での印象はあまりないなあ。
 班長は、真登香先輩だ。初めは危なっかしかったけど、今ではすっかり板につている。
ただし、やり方が少し変わった。1人が担当して、考えを述べる。その後でみんなで検討するようになった。順番は、学年順だ。真登香先輩・若葉先輩・あたし・美鈴の順だ。まずは、真登香先輩からだ。
 先生からの課題が出ていた。次の三つをを明らかにすることだ。
・メロスの人物像 ・表現の工夫 ・作品のテーマ

コメント

  1. すいわ より:

    『走れメロス』、さて何年前に読んだでしょう。太宰治、上手い文を書くなぁとは思うのですが、彼の作品で最初に手に取ったのが『斜陽』。次の作品を手に取るまで随分と時間を要しました。太宰作品、どんな風に読み解いて行けるのか、楽しみに致しております。

    • 山川 信一 より:

      少し準備の時間をいただきます。来週には、再開します。今しばらくお待ちください。
      部員と一緒に読み解いていきましょう。

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