2019-08

古典

第七十二段 ~その後~

昔、男、伊勢の国なりける女またえあはで、となりの国へいくとていみじう恨みければ、女、 大淀の松はつらくもあらなくにうらみてのみもかへる浪かな  昔、男が、伊勢国にいた女がまた逢うことができず、隣の国に行くということになり、逢えないことをたい...
古典

第七十一段 ~別の女~

昔、男、伊勢の斎宮に、内の御使にてまゐれりければ、かの宮に、すきごといひける女、わたくしごとにて、 ちはやぶる神のいがきもこえぬべし大宮人の見まくほしさに男、 恋しくは来ても見よかしちはやぶる神のいさむる道ならなくに  男が伊勢の斎宮(神殿...